【文庫短編集安眠法】短編集と安眠について
~私を短編集好きにしてくれたとっておきの11冊~
安眠法を模索する日々
安眠、というかスムーズな入眠。
それが人生の中でずっとついて回っている悩みでした。
これまで入眠に対して自分なりに試行錯誤を重ね、
アロマを焚いたり
ハーブティーを飲んだり
ラジオをかけたり・・・
それで、ここ半年くらいずっと続いているブームが寝る前に読む短編集です。
私は、子供の頃から寝付くことが得意ではないんです。
保育園の頃も、お昼寝が嫌いで自分が寝付けなくて部屋を見渡すと
周りの子はしんとしてみんな瞼を閉じて動かない。
その状況が世界にひとりぼっちのようでとても怖くて。
大人になってからも、眠りにつくまでの時間が好きじゃなかった。
今日気になったこと、明日のこと。
未解決のあれやこれやについて思考が止まらないんですよね。
脳が暇になると考え事が入り込んでくる。
でもベッドでスマホをも持ってしまうと、気になることを調べ続けてしまう。
スマホを手放して本に頼ってみた
それで睡眠時間がどんどん少なくなっていくという習慣を断ちきろうと、
スマホは眠るときは遠くに置いて、
本を読み始めました。
最初は漫画だったのですが、
漫画の場合はサクサク読み進んでしまって一晩で何冊も読んでしまうので、次々に新しい漫画を買っていかないと追いつかなくなってしまいまして。
人生で初めて、短編集に手を伸ばしてみました。
安眠のために本を買う
安眠のために買う本。
なんだか不思議な感じがしましたが、
眠る前に、自分ごとの思考に支配されるのではなく、
全く別世界の別の人格の話に触れることで
現実世界での悩みや不安から開放され
驚くほどよく眠れるようになりました。
ハードカバー好きだったけれど
今までは、実は文庫本にはあまりテンションがあがらなくて
装丁含めて世界観を味わえて存在感があって、
ハードカバーを集めて本棚に収めていくことが好きでした。
それは、机やソファで読む本だったからなのですが
読んでる最中に眠りに落ちると顔の上にバサッと本が落ちてきて
何度か痛い思いをしたので
さすがに寝るとき用の本は、文庫本にすることにしました。
腕も疲れない!
短編集のここがいい!
短編集のいいところは
・話を読み切ったという満足感を何度も味わえる
・この人のお話や文体が好き!という作家さんに出会える
・一つのテーマに対して各作家さんが多種多様な角度でアプローチしてくれるのが面白い
・長編ものを読んでしまうと、続きが気になって逆に目が冴えてきてしまうので、サクッと終わる短編がとてもありがたい
・いろんな作家さんと一緒に一つの本に収まるということで、各作家さんの熱量のぶつかり合いを感じる。
文庫はありがたい
そして文庫は
・腕が疲れない
・所蔵スペースの削減
・お財布に優しい
・買って帰ってくるときも重くない
・次々にいろいろ試してみようという気軽さが生まれて、結果読書の幅が広がる
・・・といったところでしょうか。
それからは、書店へ行くたびに文庫短編集を買い漁りました。
それで、気になった作家さんのまた別の著作を読んでみたり・・・
と、読書ライフが広がりをみせ、とても充実しております。
安眠に成功!
寝る前に文庫短編集を読むことが習慣化されてからは、
ベッドに入るタイミングもずいぶん早くなりました。
それまでは、なかなかベッドへ移動できずに
PCの前から離れられない夜ばかりだったのが、
早く今日のお話が読みたいからベッドへ行きたいと思うようになり
結果、入眠までの時間は圧倒的に短縮されました。
どうして今まで短編集の存在に気づかなかったのだろう・・・
もう今では本屋さんに行くたびに、背表紙に複数の名前が書いてある本を凝視して探す日々です。
これからそんな短編集をご紹介したいと思います!
・偏愛小説集 あなたを奪うの。 (河出文庫)
著者
彩瀬 まる (アヤセ マル)窪 美澄 (クボ ミスミ)千早 茜 (チハヤ アカネ)花房 観音 (ハナブサ カンノン)宮木 あや子 (ミヤギ アヤコ)
彩瀬まるさん「かわいいごっこ」という、お話がとっても好きで、読んだことのないシチュエーションだということが新鮮で、だけど読んでいる間に襲ってくる感情はすごく生々しく共感してしまう。
長年同棲している彼氏を、ペットの小鳥と奪い合うというお話なのですが、こう書くと可愛い内容のような気がしてきますが、そうではないのです。
この小鳥を、例えば彼氏の会社の可愛い後輩であるとか、
妙に仲がいい女友達とかに当てはめて考えると、
彼女の必死さは、大げさでもなんでもないと思う。
さらに、
2022年『夜に星を放つ』で第167回直木賞を受賞された
窪美澄さんの「朧月夜のスーヴェニア」というお話も
命とともに燃える恋へと焼き付けた熱情が凄まじく、
老年期に思い出す強い強い恋の記憶がある人生がいいな、なんて思ってしまうほど。
あらためて、この「あなたを奪うの。偏愛小説集 河出文庫」は、
まじで名著だと思います。
普通の恋愛では物足りない。業の深い話が読みたい。
それでも、人が人に惹かれて、想いを寄せ合ったり
狂おしいほどに自分のものにしたいと思ったりする、
恋愛感情というものの、強烈さに撃ち抜かれると思います。
・猫が見ていた (文春文庫)
著者
湊かなえ有栖川有栖柚月裕子北村薫井上荒野東山彰良加納朋子
・20の短編小説 (朝日文庫)
著者
朝井リョウ、阿部和重、伊坂幸太郎、井上荒野、江國香織、円城塔、恩田陸、木皿泉、川上弘美、桐野夏生、白石一文、津村記久子、羽田圭介、原田マハ、樋口毅宏、藤井太洋、宮内悠介、森見登美彦、山内マリコ、山本文緒
・甘い罠 8つの短篇小説集 (文春文庫)
著者
江國香織、小川洋子、川上弘美、桐野夏生、小池真理子、髙樹のぶ子、髙村薫、林真理子
【甘い罠-8つの短篇小説集】
江國香織・小川洋子・川上弘美・桐野夏生・小池真理子・髙樹のぶ子・髙村薫・林真理子
8人8様のアプローチの女性作家短篇小説集。
離婚、不倫、家出、復讐・・・女性視点で人間の業があぶり出されるアンソロジー。全然甘くないぞ…女は甘いと思わせるという罠なのか…? pic.twitter.com/8P8qLFufAu— すばら/読書者 (@subarashi_blog) August 18, 2022
・X’mas Stories: 一年でいちばん奇跡が起きる日 (新潮文庫)
著者
朝井リョウ 、あさのあつこ、伊坂幸太郎 、恩田陸 、白河三兎 、三浦しをん
X’mas Stories: 一年でいちばん奇跡が起きる日
クリスマステーマのアンソロジー。 去年も読んで感動したんですが 朝井 リョウ さん あさの あつこ さん 伊坂 幸太郎 さん 恩田 陸 さん 白河 三兎さん 三浦 しをん さん 最強布陣でございます!!
・注文の多い料理小説集 (文春文庫)
著者
柚木麻子 伊吹有喜 井上荒野 坂井希久子 中村航 深緑野分 柴田よしき
🍽注文の多い料理小説集🍙
柚木麻子 伊吹有喜 井上荒野 坂井希久子 中村航 深緑野分 柴田よしき 料理に色んな味わいがあるように、1冊で色んな感情になれる短編集。忘れられない料理が人生にいくつあるだろうか。 伊吹 有喜さんの「夏も近づく」では、突然うっと涙がとまらないシーンがありました。 pic.twitter.com/85LTKvR5Nt — すばら/読書者 (@subarashi_blog) August 19, 2022
・神様の罠 (文春文庫)
著者
辻村深月 乾くるみ 米澤穂信 芦沢央 大山誠一郎 有栖川有栖
・もう一杯、飲む? (新潮文庫)
著者
角田光代 、島本理生 、燃え殻 、朝倉かすみ、ラズウェル細木 、越谷オサム、小泉武夫 、岸本佐知子 、北村薫