3分で読める! コーヒーブレイクに読む喫茶店の物語 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)読了!

短編集

3分で読める! コーヒーブレイクに読む喫茶店の物語 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)からの喫茶店にまつわるあれこれ

喫茶店を愛す。

喫茶店が好きだ。

カフェももちろん、そして純喫茶。

単にコーヒーを飲むだけではない

人間の時間が、そこに訪れた人の分幾重にも蓄積されているような感じがする空間。

周りの席から聞こえる数々の人間模様。

写真を取り合う恋人たち。

キャバクラの面接。

合コンの反省会。

別れ話。

一人で本を読むのもいいし

手帳を広げてゆっくり思考をまとめたり

勉強に集中したり

仕事を済ませたり。

そこにいる人達が、それぞれ思い思いに過ごしている

その多様さがどんな人もここに居ていい、というような安心感をくれる。

 

 

純喫茶は好きだけど喫煙はしない。

それでも副流煙を凌駕する魅力がそこにあるからたばこを吸わない同士の友人ともよく通った。

通い慣れてくると

お互いにいつもここで会いますねと

会話はなくとも、視界の端っこで捉えあっているような人もいる。

いつも一人で黙々と勉強している彼が

友人と訪れたときはこんなに喋るのかと驚いてみたり。

「ちょっとコーヒー飲んでいこうか」と、

誘うのも誘われるのもとても癒やされるものだったと気づく。

そんな喫茶店に

2020年を境にふらっと立ち寄るということがなくなった。

物凄く空いている時間とか

割りと緊張感とともに訪れる場所になってしまった。

そんな中、私の喫茶店欲を抱きとめてくれたのがこの本です。

参加著者/収録作品

岡崎琢磨「フレンチプレスといくつかの嘘」

佐藤青南「おみくじ器の予言」

柊サナカ「婚活ドリームチーム」

城山真一「新花のあんばい」

志駕 晃「珈琲占い」

七尾与史「全裸刑事チャーリー股間カフェ」

蝉川夏哉「アットホームじゃない職場」

柏てん「高架下の喫茶店」

友井 羊「麻野と理恵の謎解きカフェごはん」

黒崎リク「銀河喫茶の夜」

青山美智子「アンコール」

 

乾 緑郎「ピートの春、その後」

Swind「雨の日のモーニング」

三好昌子「迷庵にて」

塔山 郁「儲け話」

梶永正史「睡魔」

高橋由太「おじいさんと猫の喫茶店」

深沢 仁「鳥籠」

堀内公太郎「子供お断り」

山本巧次「シュテファン広場のカフェ」

岩木一麻「一杯のための物語」

沢木まひろ「最高の寝床」

喜多喜久「喫茶「交差点」のドッペルゲンガー」

降田 天「モンブラン死すべし」

海堂 尊「「愚痴喫茶」顛末記」

喫茶店からは無限に物語がうまれてくる。

喫茶店を舞台に繰り広げられる

25名の豪華作家陣による、書き下ろしショート・ストーリー。

アプローチはあらゆる角度から。

ファンタジーあり、ミステリーあり、恋愛あり、家族愛あり。

まるで、喫茶店のずっしりとしたメニュー表に書いてある

コーヒーや生ジュースなどのわくわくするくらい豊富なバリエーションのように

喫茶店から生まれる多種多様なストーリーたち。

喫茶店には秘密が溢れている。

学校でできない話、職場で家庭では話しにくいあれこれ。

 

 

学校近くのカフェやファストフード店では

同級生に会ってしまうからと

高校生時代に、こっそり大人の領域に忍び込むような気持ちで

地下にひっそりとある喫茶店でした恋バナを思い出す。

学校の中で毎日同じ友達と話しているのに、

赤いベロアのなめらかな布が貼ってある椅子と

頭上のスポットライトが照らすテカテカしたテーブル。

苦いものを飲みに来る場所という

危険な香り。

それだけでなんだか高揚して、

まだ飲み慣れていないコーヒーのカフェインによる刺激もともなって

すごく有益な話をしているような感覚に陥る。

だけど実際は、お互いの好きな人について

ぎゃあぎゃあ言っているだけの

大人要素のまるでない会話。

それでも、そのシチュエーションは

ドラマみたいなストーリーが自分たちにも起こるかもと

思わせてくれるような

ムードに溢れていた。

喫茶店が登場するドラマ・漫画・小説が好き。

ドラマ マンハッタンラブストーリー


宮藤官九郎さん脚本、TOKIOの松岡昌宏さん主演で

豪華キャストのコメディ多めのラブストーリーです。

テレビ局の近くにあるこだわりの喫茶店『マンハッタン』。

寡黙なマスター(松岡さん)は、ほとんど喋らず、

心の声のセリフが9割。

その喫茶店には、人気ドラマの脚本家、俳優、振付師、お天気キャスター、など

テレビ局からくる騒がしいお客たちが集う。

一杯一杯丹念に心を込めて入れたマスターのコーヒーを

ちゃんと味わうこともなく、主に会話をしに来るにぎやかな客たち。

そして、ヒロインはタクシー運転手役の小泉今日子さん。

はじめはバラバラの動きを見せていた客たちが、

喫茶マンハッタンの中で、徐々に繋がり

人間関係も恋愛関係も絡み合ってゆく・・・。

〔キャスト〕
松岡昌宏/及川光博/酒井若菜/塚本高史/船越英一郎/松尾スズキ/森下愛子/小泉今日子

〔スタッフ〕 脚本:宮藤官九郎

「ラブコメ」というより「コメラブ」と言えそうな

笑い大盛りのラブストーリーで、大好きな作品です。

それぞれの客席で、ドラマ脚本の執筆中だったり、

別れ話の真っ最中だったり、

仕事の愚痴を言い合う休憩中だったり・・・

喫茶店という特別な空間が包括する

独立したそれぞれのストーリーが、あれよあれよと絡み合っていく。

いろんな人物にとっての居場所を作ってくれる喫茶店てやっぱり素敵だなあと思わずにいられない作品です。

海外ドラマ フレンズ

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こちらは、アメリカのコメディドラマです。

マンションの中のシーンが多いものの、

カフェで、いつも同じ大きなソファの席で

いろんなことが起こり、

それぞれの近況を語ったり、悩み相談するシーンが大好きです。

アメリカ!って感じの大きなマグカップだったり、

居心地の良さそうなビンテージ風のソファ。

 

 
 
 
 
 
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本を読んだり、食事を取ったり、各キャラが思い思いに過ごしながらも

互いのことに首を突っ込み続ける。

そんなあたたかな関係性を表しているのがカフェのシーンで、

周りに他のお客さんたちがガヤガヤといるからこそ、

ここのソファのメンバーはみんな家族みたいにひとまとまりに見えて、

それが好きなので、カフェのシーンが来るといつも「やったー!」と心が湧き上がるのでした。

漫画 アオイホノオ / 島本和彦

島本和彦先生の漫画「アオイホノオ」でも、

喫茶店のシーンにいくつも印象的なものがあります。

基本的には、大学やホノオ君の下宿の部屋のシーンが多いですが

・東京できっちゃんの原稿書きを手伝うシーン

・集英社の編集者さんに原稿を見てもらい、食事を奢ってもらう。

・雁屋先生との対面シーン

・プロとしてやっていくため、飲めないコーヒーを無理して飲む。

・札幌で大学のみんなと旅行で訪れた、ホノオ君の連載漫画ノートのあるなじみの喫茶店。

・三上さんとの打ち合わせ。

・札幌で原稿を手伝ってくれる尾藤さんとのシーン。

・東京で尾藤さんと再会するが睡魔に襲われるシーン。

などなど、挙げればキリがないですが、

昭和の時代のお話なので

現在私達が楽しんでいるレトロな感じの喫茶店が

この時代にたくさん生まれたんだろうなと思わせるような

喫茶店のシーンがあちこちに挟んであるところが、

その時代の空気感を醸し出していてすごく好きです。

大事な仕事相手と初めて会う喫茶店とか、

悩みを話し合う喫茶店とか、

ドラマが動き出す感じがします。

でも一番好きな「アオイホノオ」の喫茶店シーンは

やっぱり 集英社のMADホーリィさんに原稿を見てもらうシーンです。

神保町という、素敵な喫茶店が沢山ある街ということもあいまって

そんな喫茶店の片隅で、大阪から夢を抱きかかえてそれを受け止めてもらいに来た二人と、業界人の象徴のような激強オーラで登場した編集者さん。

すぐにではなくても、ここから漫画家人生が大きく動き出していくことを感じる大好きなシーンなのです。

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原作は4コマ漫画で、アニメ化もされている

カフェや喫茶店で働く女の子たちのお話です。

街並みがとっても美しくて、

夢のように平和な世界。

精神が荒んだ時、

もう何も考えたくない時、

例えば憂鬱な日の仕事に行く前の時間帯とか

お気に入りのカフェに寄って気分転換してこよう

という感覚でごちうさアニメに通っていた時期がありました。

理想のカフェや喫茶店がおうちの近くに無くても、

アニメの中で休憩しに行ける。

そんな癒やしの世界。

カフェや喫茶店の持つヒーリングの力を

とっても感じる作品です。

 

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3分で読める! コーヒーブレイクに読む喫茶店の物語宝島社文庫

3分で読める! コーヒーブレイクに読む喫茶店の物語

著者:『このミステリーがすごい!』編集部 編

発売日:2020年6月4日
価格:748円(税込)

判型:文庫判
ページ数:288P

25名の豪華作家陣による、書き下ろしショート・ストーリー!

青山美智子乾 緑郎岩木一麻岡崎琢磨海堂 尊

柏てん梶永正史喜多喜久黒崎リク佐藤青南

沢木まひろ志駕 晃城山真一Swind蝉川夏哉

高橋由太塔山 郁友井 羊七尾与史柊サナカ

深沢 仁降田 天堀内公太郎三好昌子山本巧次

※名前は五十音順

コーヒーを片手に読みたい、喫茶店にまつわるショートショート・アンソロジー。“チーム・バチスタ”シリーズの田口先生が喫茶店を開く?「『愚痴喫茶』顛末記」海堂尊。喫茶店で大好きな彼に別れ話を切り出される「フレンチプレスといくつかの嘘」岡崎琢磨。誰もが試したことがあるのでは? あのおみくじ器が主役の「おみくじ器の予言」佐藤青南など。3分で心揺さぶられる物語、25作品を収録。

青山美智子(あおやま・みちこ)

一九七〇年生まれ、愛知県出身。横浜市在住。大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。2年間のオーストラリア生活ののち帰国、上京。出版社で雑誌編集者を経て執筆活動に入る。第28回パレットノベル大賞(小学館)佳作受賞。デビュー作『木曜日にはココアを』(宝島社)が、第一回宮崎本対象を受賞。同作と2作目『猫のお告げは樹の下で』(宝島社)が未来屋小説大賞入賞。最新作『鎌倉うずまき案内所』(宝島社)が、好評発売中。

出典:3分で読める! コーヒーブレイクに読む喫茶店の物語宝島社文庫

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乾 緑郎(いぬい・ろくろう)

一九七一年、東京都生まれ。『完全なる首長竜の日』(宝島社)にて第九回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞。『忍び外伝』で第二回朝日時代小説大賞も受賞し、新人賞二冠を達成した。『忍び秘伝』(文庫化に際して『塞の巫女』に改題)にて、第十五回大藪春彦賞の候補作に選出される。他の著書に、『海島の眠るホテル』『鷹野鍼灸院の事件簿 謎に刺す鍼、心に点す炎』(以上、宝島社)『機巧のイヴ』シリーズ(新潮社)、『思い出は満たされないまま』(集英社)、『僕たちのアラル』(KADOKAWA)、『悪党町奴夢散際』(幻冬舎)、『ツキノネ』(祥伝社)などがある。

出典:3分で読める! コーヒーブレイクに読む喫茶店の物語宝島社文庫

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岩木一麻

 

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Swind/著作

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