目標へ確実に到達するために必要なものとは?
今までいくつの「目標」を掲げてきただろう。
いくつかは叶ったし、いくつも叶わないままのものがある。
達成できる目標と達成できない目標の違い。
①それは「運」のせいだろうか。
②それとも「才能」のせい?
③やり遂げられない「意志」の弱さ?
④十分な量の努力に達しなかったから?
⑤そもそも、到底ムリな身の程知らずの目標を立ててしまったから?
この本は、①「運」②「才能」③「意志の力」この3つを真っ向から否定してくれます。
特に面白いのが
③「意志」の強さや弱さと目標達成力は関係ないという考え方です。
今まで挫折を繰り返す度に
「自分はなんて意志の弱い人間なんだ」
などと自分を責めることはもうしなくてよいのです。
重要なのは③「十分な量の努力」
そしてそれは、生まれながらに決まった素質ではなく、自分でその量を増やすことができるもの。
そうすれば④「身の程知らずな目標」であったとしても
努力の過程でその「身の程」という値はいかようにも変化するもの。
そのことを私達に伝えてくれる重要な1冊です。
叶えたい目標があるのにどうして踏み出せないのだろう?
もしも、今どうしても達成したい目標がある。
そのためにやらなきゃいけないこと、やりたいことはぼんやりとわかっているが
踏み出せない。
なぜなら、達成できるか不安だから。
これから自分がかけていこうとしている
自分の時間
自分の労力
自分の気力
それが無駄になるのは怖いもの。
けれどそれが全く無駄にならないとしたら?
必ず目的地にたどり着ける地図が本当はあるとしたら?
「必ずたどり着ける」
「少しづづでも確実に近づいている」
そう感じることができれば、踏み出すことは少したやすくなるかもしれない。
目標に近づくために考えておくべきこと。
この本と一緒にあらゆる角度から考えてみることで、見えた答えはそれがあなたを導く有能な地図にるのです。
やってのける 意志力を使わずに自分を動かす著者 ハイディ・グラント・ハルバーソン (著) 児島 修 (訳)
やってのける 意志力を使わずに自分を動かす
著者 ハイディ・グラント・ハルバーソン(著) 児島 修 (訳)
原題 Succeed: How We Can Reach Our Goals
Halvorson Ph.D., Heidi Grant 2011/12/27
大和書房より2013年9月30日発行
定価 1600円+税
コロンビア大学心理学博士でモチベーションと目標達成の分野の
第一人者ハイディ・グラント・ハルバーソンが
科学的裏付けをもとに、目標の立て方や達成のためのアプローチ
誰にでもできる意欲の高め方をわかりやすく示してくれます。
本記事は、要約・抜粋ではなく、この本を読む体験の中で考えを巡らせたこと
自分の中で噛み砕いた要素なので、実際の知識は是非書籍から純粋に獲得していただきたいと思います。
(書評としていますが、ほぼ感想文です。)
256ページの本書ですが、非常に簡潔でわかりやすい文章で、情報量は濃くてもすんなり入ってくるように書かれています。
1日かからず読めると思いますが、
途中是非やってみたほうがいい設問がありますので
自分の目標への道筋をあきらかにするためにも
しっかり時間をとって、書き出して見るほうが効果が上がると思います。
「意志力」に頼らないことの意味
とにかく頑張れ!
あきらめなければできる!
何度でもチャレンジするんだ!
そういった激励が、力になる場面もあっただろう。
けれど、その激励の効果が永遠と続くかというとそうではない。
そういった「意志力」に頼る時、
本当に目標達成のために肝心な
「どうやってそれを実行するのか」
「究極なんのためにその行動を行うのか」
「まずは何から手をつけるのか」
その問いがおざなりになるから。
「意志力」という自分の中に編み出したスーパーマンの幻影に
自分のこれからの運命と
どうしても掴みたい夢の達成
そのような本当に大事なものを預けてしまってよいのでしょうか。
同じ夢を託すなら、必ず遂行してくれるエージェントに任せたい。
「意志力で解決します」そう謳った名探偵には謎解きを頼みたくはない。
増えたり減ったりと揺らぎのあるエネルギーでは、信用できない。
それほどまでに、大事な夢だから。
だから今こそこの本とともに
「意志力」に代わる
努力家スーパーマンを育てるのです。
目に見えない「自制心」の消耗を意識する
この本ではバラク・オバマ前大統領のエピソードで
とても興味深く解説してくれるのが
「自制心」の消耗について。
極度の緊張や、複雑な判断を次々こなさなければならないような仕事。
ありのままの自分でいられないような立場でのふるまい。
そんなストレスに晒され続けると、
自分を律する力は消耗してしまう。
せっかく掲げてきた目標も、夢の実現のために日々自分に課した日課も
放棄しそうになってしまう。
(または放棄してしまう。)
ちょうどそれをとても表している歌があります。
菅田将暉さんの「ロングホープ・フィリア」です。
ロングホープ・フィリア
映画「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE -2人の英雄-」主題歌
収録アルバム→『LOVE』菅田将暉の2枚目のスタジオ・アルバム。2019年7月10日にエピックレコードジャパンよりリリース
歩くほどに靴底が汚れてく そんな風に
僕らの魂も磨り減れば影ってしまうよ
そんな時に思い出して 君が諦められない理由を
出典:ロングホープ・フィリア 作詞:秋田ひろむ(amazarashi)
歩いた分だけすり減る靴底のように
自分が心を消耗していることがもし目に見えれば対策もできるのですが
残念ながら心のHPは自分で汲み取るしかありません。
けれども心は消耗するものだという理解があれば
ふと全て投げ出したくなっているような気分の時に
「ああ、今磨り減っていたのかも」と気づける可能性が高まります。
そうすれば、一旦自分を開放して自由な時間を味わってみたり
歌詞にあるように、本来のモチベーションはなんであったかと
問い直す時間を持ってその間に心の回復を図るという対策もできます。
自分との約束を破ってしまった時にやたらと自分を責めてしまう前に
一度、それはどういう状況で起こったのか。そこには磨り減ってしまった自分がいたのではないか。
そう考えてみることで、次から対策が打てるようになり、目標達成の可能性は向上するはずです。
LOVE (初回生産限定盤) (DVD付) (特典なし) 菅田将暉 形式: CD
【収録曲】
01 「まちがいさがし」
作詞・作曲・プロデュース:米津玄師
≪カンテレ・CX系 火9ドラマ『パーフェクトワールド』主題歌≫
02 「クローバー」
作詞・作曲:石崎ひゅーい
03 「ロングホープ・フィリア」
作詞・作曲:秋田ひろむ(amazarashi)
≪映画「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE -2人の英雄-」主題歌≫
04 「7.1oz」
作詞:菅田将暉、柴田隆浩(忘れらんねえよ) 作曲:柴田隆浩(忘れらんねえよ)
05 「ドラス」
作詞・作曲:菅田将暉
06 「つもる話」
作詞・作曲:菅田将暉
07 「キスだけで feat. あいみょん」
作詞・作曲:あいみょん
08 「りびんぐでっど」
作詞・作曲:志磨遼平(ドレスコーズ)
09 「TONE BENDER LOVE」
作詞・作曲:菅田将暉、KNEEKIDS
10 「あいつとその子」
作詞・作曲:菅田将暉
11 「ベイビィ」
作詞:菅田将暉 作曲:永嶋柊吾
【DVD収録曲】
菅田将暉 初監督作品Short Film 『クローバー』(主演:仲野太賀)
出演:仲野太賀、永嶋柊吾、石崎ひゅーい、菅田将暉
監督・企画プロデュース:菅田将暉
監督補佐:山田健人
衣装:伊賀大介
主題歌:菅田将暉「クローバー」(作詞・作曲 石崎ひゅーい)
ポジティブですべてがうまくいくという幻想
「成功イメージ」は大切だ。
まずそれが描けないものに、私達はそもそも手を出そうとはしない。
けれども、その「成功イメージ」の根拠ってなんだろう?
昨日いった神社でおみくじを引いたら大吉がでたから?
自分には「才能」があると思う。
もしくは誰かから「才能があるよ」と言われたから?
そういった「信心」の魔法にかかっていられるうちは、少しは効果もあるだろう。
けれども、「うまくいく」イメージだけでは、目標達成への盤石な道標にはならない。
目標達成への地図には
目的地とそこまでの道のり以外にも重要な情報が要る。
「どこを通ると危険か」
「工事中の道はないか」
「大雨で軟弱になっている崖の脇を通るのは避けよう」
「そもそも、台風がきているからこの計画は来週に変更しよう」
など、「安全に」目的へとたどり着くためのいくつものリスク回避が必要だから。
「夢」というあまりにも甘く芳しく煌めくイメージの前で
「リスク回避」「現実思考」という考えは
地味で、心ときめかず、あまり率先して考えたいことではないかもしれない。
だけれども「全てが上手くいった場合」ばかりを考えていては
急な予定変更、天候の変化、思うようにサクサクいかない進行状況
そういった現実に出くわした時
簡単に心が折れてしまう。
台風だけど諦めずに出かけよう。
工事中の道だけど、どうにか突破しよう。
それは「意志力」でも「ポジティブ」でもない。
「安全に」目的地へたどり着くこと。
それが「確実に」目標へと到達できる道。
そのために考えておくべきことや準備することを怠らないのが「努力」です。
人間の「意志力」は弱いものという出発点
「意志力」を強いものと捉えることは
自分の行く道の上にせっせせっせと
障害物を設置しているようなものだ。
どんなにやる気が起きない日でも
「これなら手がつけられる」というような
行動へのハードルはできるだけ低く低く設置したほうが
腰の重いままなんとなく半日たってしまった。
などという最大の時間の浪費に泣くこともない。
やるべきパソコン作業が億劫だけれども
まずリビングからデスクに移動するくらいはできるかな
好きな音楽を聴きながらパソコンを立ち上げて、必要なページを開くまではいけるかな
そんなふうにだましだまし自分を目的の場所に連れて行くことも
大事な「努力」です。
そんな、自分の動かし方についても、すごく親切にこの本の中で示してくれています。
「意志力」よりも「モチベーション(動機)」が人間を動かす
「努力の量を増やせばいい」と言われても
それが難しい、と思う。
でもそれがサインになっている。
自分にとってその目的を果たすべき動機=モチベーションがはっきりしていないということ。
「自分の努力」という自分の中からなるべく出したくはないような価値ある宝物と
その「果たすべき目的」との価値がつりあっているのかどうか。
こんなに努力を捧げるべきでもないな、と思うのならその夢から撤退しても支障ない。
しかし、自分がその夢を叶えることは
これだけの努力を捧げてなお全然お釣りが来るくらい価値があることだ。
そう思える目標ならば、実際いくらでも行動できるし、それを「努力」とよぶことすら忘れるだろう。
自分を顧みても今まで達成してきた目標というのは
「それぐらい叶えたかったこと」であり
自発的行動が連続していったもの。
しかし、同じ目標への渦中でもその過程の困難さに、その目標の価値を見失うことがある。
今日の睡眠不足。
目の前の課題の突破口の見えない複雑さ。
そういうときこそ、何のためにここまで進んできたのか。
ここを抜けて自分はどこに到達しようとしているのか。
そういった「モチベーション」の再定義を行うことで、今目の前にある厄介な作業が
自分にとって大変意義のある素晴らしい仕事に変わってくる。
そんなふうに、今ある困難が「自分の目的のため」と、そう思えることは幸せに生きることにほかならない。
きっと、今抱いている目標が頓挫せずに達成でき、その先で歓喜できる。
そのために今何から行動しようか。
その答えはこの本で見つかるはずです。
最近好きなお茶。
— すばら/読書者 (@subarashi_blog) September 15, 2022
藤井聡太竜王監修の心研ぎ澄む勝負の冷茶。
杉本昌隆師匠の本「弟子・藤井聡太の学び方」に
プロ向きの3つの性格とあって
①負けず嫌いであること
②負けを引きずらないこと
③孤独に強いこと
周りが引くほどの本気の悔し泣きのあとに、すっと冷静な闘志に切り替わり次の対局へ。さら pic.twitter.com/23ubbKuMZ3