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名探偵コナンファンが島本和彦にハマった話:後編(アオイホノオ・燃えよペン・吼えろペン)

ドラマ

島本和彦先生にハマって。(後編:アオイホノオがくれたもの)

 

 

今現在、私の本棚には漫画がとめどなく増え続けている。

少年漫画、少女漫画、BL、コミックエッセイ、

昭和・平成の名作、ツイッターでバズった漫画・・・

「炎の転校生」のセリフとは意味が違うけれど

心に棚が増えていく。

読んできた漫画の数によって。

そのことが、仕事の面でもプライベートの面でも

私に心強さをくれた。

けれども、「アオイホノオ」に出会うまで

大人になってから買い続けた漫画は「名探偵コナン」のみ。

そして関連する

「名探偵コナン ゼロの日常(ティータイム)」

「名探偵コナン 犯人の犯沢さん」

それだけだった。

 

それが、「アオイホノオ」以降で買ったマンガの数

今ざっと数えたところ 約300冊。

それくらい私に革命を起こした作品だった。

漫画界への憬れに、揺るぎない確信をもたらしてくれたことで、

漫画を求める心に、歯止めが効かなくなったのだ。

人生で一番の視聴回数のドラマ「重版出来!」という下地

どうしてここまでハマりにハマっていったのか。

思い返してみると、青山剛昌30周年本の前年に、

大事な発端があったのだった。

それは、

放送から5年経つ作品だが

「重版出来!」というテレビドラマ。

松田奈緒子さんの漫画が原作で

新人編集者を主人公に、出版社の営業さん、ベテラン漫画家、

新人漫画家、表紙デザイナー、アシスタント、書店員・・・

などなど1冊の漫画本が世に出てくるまでに関わる様々な人々の人間ドラマを、

人情味たっぷりに描いた作品だ。

そして、脚本家はあの「逃げるは恥だが役に立つ」の、野木 亜紀子さん。

放送当時はもちろん、その後もHuluで何度も何度も視聴し続けている。

再生回数ランキングがあったら、上位に入っている自信がめちゃくちゃある。

このドラマで、漫画家さんと編集者さんの関係性にすごく心を惹かれていったのだった。

それぞれにこだわりがあって、

すれ違うこともぶつかることもあるけれど、

いい漫画を世に送り出すという1点で強く繋がっている。

一冊の漫画本、毎週世に出される週刊連載の裏側に

こんなに沢山走り回っている人がいる。

それを感じさせてくれたドラマだった。

ベテランアシ・沼さんの伝説回

特に、伝説の7話。

ベテランアシのムロツヨシさん演じる沼田さんの回は、

何回見ても泣かずにはいられない。

漫画家を目指していることで、特別になれた。

漫画以外、いらなかった。

そんな沼さんのシーンに、

夢を追いかけることはこんなにも痛みを伴って、

満身創痍の無数の夢追い人たちがこの世界を作っているんだと、

憧れる人が多い職業だからこそ、

光の周りに広がる影もまた必ずそこにあるということを噛み締める。

このドラマをこの5年間、繰り返し視聴し

去年からは「アオイホノオ」を読む→

「重版出来!」を視聴する→

また「アオイホノオ」を読むという

無限ループに突入してしまった。

こうして漫画界への興味を培養していく私は、

今や「漫画界ファン」なのだと思う。

サンデー文化祭をめちゃめちゃ楽しむ。

「重版出来!」の原作は、今現在も続いている漫画でもちろんそちらも読んでいるが、

ドラマは10話まで。

この世界を、もっともっと見ていたいのに…!

ビルのワンフロアを貸切で作り込んだという編集部のデスクをみているだけでも、

自分が一生立ち入ることのない聖域をそこに感じて

何度も舞い戻ってしまう。

 

そんな私は、今年サンデー文化祭 ONLINEで

何度編集部に潜入したことか。

自分でも、怖いよ!と思うほどに

執拗にすべてのポイントをくまなく周ってしまった。

期間中、暇さえあればちょっと編集部に行ってくるか、と遊びに行きまくっていた。

 

その中で、「ハヤテのごとく!」の畑健二郎先生の仕事場が登場する。

「ハヤテのごとく!」は、アニメで見ていた作品だ。

 

そこで登場する「吼えろペン」「燃えよペン」のお話。

「燃えよペン」だけカバンに入れて上京したというエピソード。

力のこもった「バイブル」の言い方。

 

こうやって島本先生の情熱は、

脈々と漫画界に受け継がれていくのだと思った。

 

しかも畑先生は、島本先生と同じ大阪芸術大学芸術学部のご出身。

 

本当に次から次へと才能が集まってくるキャンパスなのだ。

「巨大感情」のパイオニア

時期を同じくして、ツイッターきっかけでハマった漫画がある。

「私のジャンルに「神」がいます」 (真田つづる・作)だ。

 

 
 
同人女たちが爆発させる巨大感情。
 
嫉妬、克己心、執着・・・
 

 
焔くんが蒼かった時代になかった言葉ではあるけれど
 
Googleのサジェストに
 
{ 島本和彦  庵野やめろ }
 
と出てくる島本先生こそ
 
「巨大感情」のパイオニアなのではないかと思った。
 
 

 

本気で生きてみたかったんだ。

「アオイホノオ」によって気付かされたことは多くあるが

一番は”ホノオくんのように本気で生きてみたい”

そう思えたことが、私にとってかけがえのないことだった。

大人になって、

自分の本当に感じていることを、引っ込めたほうが丸く収まるとか

いちいちすべてに張り合っていては身が持たないとか

そんなふうに、手加減する癖がいつの間にかついていた。

「本気で」勝負しなければ、「本気で」傷つくこともない。

けれど、現状に満足出来ていない自分に本当は気づいていた。

「もう大人だから」と、熱くならない言い訳をしていたんじゃないか私は。

そんなときに、私の目の前にホノオくんが現れたのだ。

焔 燃 に恋して

ホノオくんはいつだって本気だ。

本気で舞い上がって

本気で落ち込んで

本気で漫画界と対峙している。

ホノオくんは手加減なんてしない。

それは、自分の信じた「漫画」という道への絶対の愛情表現で、

そこを裏切ることはありえない。

そこまで本気になれるものを見つけたことがもう才能なのかも知れないとも思う。

だけど、身近にいる庵野秀明という天才に幾度も衝撃を喰らって

ホノオくんの表現したことに対して

正確に褒めてくれる人はなかなか現れなくて

(トンコさんはメンターのようにホノオくんの自尊心を立て直してくれるが)

夢を追う人の中にはきっとホノオくんが存在している。

もっと認められていいはずの

もっと活躍できるはずの

自分への期待。

それは何者かに、一角のプロフェッショナルなりたいと思っている

ほとんどの人が通る道で

だけどあまり他人にみせることのない感情で。

自分だけがこんなにつらいのかも知れない。

他の人は軽々と超えていくハードルなのかも知れない。

人に認めてもらえない自分は、才能がないのかも知れない。

この夢は本当に叶うのか。

そんな燻りながらもメラメラと消えることのない情熱を

燃やし続ける日々。

ホノオくんと一緒によろこんで、

ホノオくんと一緒に打ちひしがれて

そんなことを繰り返しているうちに私は

ホノオくんになりたい。

そう思うようになっていった。

ホノオくんを見つけてくれた三上さん、ありがとう!!

自分の才能を認めてくれる人。

その存在がクリエイターにとっていかに重要なものか。

クリエイターとして生きるも死ぬも、そういう人に出会えるかどうかに懸かっている。

あるいは、そういう人に出会えるまで自分を信じ続ける力を持てるかどうか。

私は、この「ゲッサンラジオ 2015年4月号」を何度も見てしまう。

三上さんもまた、島本先生に出会えて嬉しかったんだな、と。

この島本先生の小学館漫画賞受賞式でのスピーチと、

三上さんの祝辞をみて、

本当に、本当にお二人が出会えてよかった…!と運命に感謝する。

「どれだけこの賞が欲しかったか。」

情感たっぷりに話す島本先生をみながら、

何度でも私は祝杯を上げてしまうのだ。

 

ついにドラマ版「アオイホノオ」を視聴する

今までも、実写ドラマ版があることは知っていたが、

見るのをためらっている自分がいた。

こんなに大好きになった漫画作品で、実写ドラマに対する期待が大きくなりすぎてしまうのではないか。

パッと見の感じ、ギャグドラマなのかな。

しかし、「アオイホノオ」のすべてを吸収したいという気持ちが勝った。

結果・・・

最高のドラマだった!!!!!

生きてる!生身の焔くんが生きている・・・!

キャストのハマりようが怖いくらいだ。

ホノオくんを演じる柳楽優弥さんは、こんなに漫画みたいな顔が人間にできるのか!という憑依っぷり。

くーーっと目をつぶって悔しがる顔は、島本先生が重なって見えてくる。

しかも、山賀博之役は、「重版出来!」で沼さんを演じたムロツヨシさん。

庵野秀明役は同じく「重版出来!」で編集者 安井 昇を演じた安田顕さん。

同じ漫画界(アニメ界)を描く作品ではあるが、

全く違う立場、濃ゆいキャラクターで、

同じ人が演じているとは到底思えない。

(ドラマの制作は、「アオイホノオ」が2014年

「重版出来!」が2016年なので逆ですが。)

そして、赤井タカミ役の中村倫也さん。

最近のキラキラ恋愛ドラマイメージとは全く違う。

赤井くんだ。顔も本当に漫画とそっくりだ。

さらに実写化で一番感動したのが、

矢野 ケンタロー役の 浦井健治さん。

さすがは、2.5次元の世界でも活躍する俳優さん。

もう、漫画以上に漫画だった。

本当に漫画からキャラクターが、現実世界に迷い込んできてしまったみたいに、そのものだった。

そしてなんといっても、OP曲・ED曲ともに「アオイホノオ」を最高に盛り上げてくれるのだ。

OPのウルフルズの「あーだこーだそーだ!」は、

ホノオくんの熱さ、暑さ、ガムシャラ感がほとばしっているし、

特に…特に…

柴咲コウさんの「蒼い星」がエンディングでかかると

ホノオくんへの想いが爆発してしまう。

まるでトンコさんが歌っているようなあたたかな目線。

あの庵野秀明や赤井孝美らから衝撃を受けた、

思い出の線画アニメで描かれた焔くんが歩いているのを見ているだけで

あああ、姿勢の良さにプライドがにじみ出ているホノオくんが

歩いてるよーーー!と震える。

いまどんな顔で歩いているんだろう?

なにか嬉しいことがあって勝ち誇っている顔かな?

悔しいことがあって、沸々としている顔かな?

と、想像してしまう。

原色で煌めいて

何者でもないままのあなたで

出典:「蒼い星」歌:柴咲コウ 作詞:カミカオル・柴咲コウ

歌詞はこちら

に差し掛かるたびに、

ううっ…とこみ上げてくる。

そう、そうなんだ。

まだ夢を叶える前の、何者でもないホノオくんだって、

輝いているんだ!!

ふえーーーーん。

それが実は今月のことだった。

ドラマをみたことにより、もう誰かに話さずにはいられなくなった私は、

今こうして、行き場のない感情をブログにしたためている。

庵野秀明が求めたサインと、原作者本人の登場シーン

漫画が、現在進行形で続いているゆえ、

このドラマはどこまでを描くのだろう?そう思った。

(以下、ネタバレを含みますので未読・未視聴の方はお気をつけください!)

一旦落選の箱に入れられてしまったホノオくんの応募作を

三上さんが拾い上げて、声を出して笑ってくれるシーン。

そして、大賞候補の箱に投入されるホノオくんの原稿。

気づいてくれる人がここにいたよおおお!

ううっ…よかった…本当によかった…

さらに、ついにプロデビューを果たしたホノオくんに、

庵野秀明がサインを求める。

あれだけその才能が眩しくて、

衝撃を喰らっては打ちひしがれて。

それだけ、悔しいくらい認めていた存在だからこそ、

漫画家としてのプロデビューに駆け寄ってくれたくれたことが

ホノオくんにとっては、一つの勝利だったと思う。

本当にプロを目指す庵野秀明だからこそ、

プロになったなんて凄いじゃん!と

心から思ってくれたのだ。

やった!やったね、ホノオくん!

そして、原稿料でバイクを買うシーン。

未来のホノオくんである、原作者の島本先生が、

バイク屋さんとして登場する。

タイムスリップしてきたように、

未来から過去の自分への激励のような会話。

凄い・・・実写って凄い。

こんなことも叶っちゃうんだ!

あと、島本先生の演技が熱い!

さすがは、普段から感情を込めずには話せない島本先生だ!

そこからなんと、「燃えよペン」での

プロ漫画家になったあとのシーンまで繋がって終わる。

あーーーーやられたーーー。

この最終回は怒涛だー。

そして最後、線画アニメでひとり歩いていたホノオくんのむこうには

みんなが待っていて・・・

島本先生とホノオくん役の柳楽優弥さんのツーショット写真で終わる。

それから私は、その二人の写真を見つめながら

「蒼い星」を永遠ループで聴き続けるのだった。

島本作品に、安心してハマれる理由

それは、「燃えよペン」の1シーンに

凝縮されている。

 

第七話 起承転結劇場編 にて

炎尾先生が、アシスタントの作品を見て、激怒するシーン。

 

2人の女性の間で煮え切らない態度を取り、

自分の都合でハッピーエンドにしてしまうシーンでのこと。

描いたものが何百万部と刷られて世に出されるマンガ家がだ、

男が女を安易に裏切って幸せになるなんてストーリーをハッピーに描いて・・・・・・・・・そんな情けないフィクションを堂々と描くなーっ!!

きさまの世界では女をボロボロにしてすてる男が幸せになるのかっ!?

えっ、答えんかっ伊藤!!

出典:燃えよペン 著)島本和彦 小学館

人間として。プロとして。

まっとうな道を行く。

そういう人情を描いてくれる作品だからこそ、

次から次へと安心して溺れることが出来たのだと思う。

男ならそうなるのも仕方ないよな、それが男の性だよな、で終わらない。こんなふうに怒ってくれるんだ。

そこで、炎尾先生ーーーーっ!

と惚れてしまったのだ。

ホノオくんみたいに。

情熱は消費するものなのかも知れない。

日々に忙殺されるうちに、そのゲージは目減りしていく。

頑張っても頑張っても成果が上がらない。

そんなとき、嫌になって投げ出してしまう前に

私は、「アオイホノオ」を読む。

「燃えよペン」を読む。

走り疲れて枯渇しそうな情熱は、ここにある。

何度読んでも、作品の中のその熱量は枯渇しない。

何百万刷と印刷されても薄まらない。

今日もホノオくんは本気で走りまわっているし、

炎尾先生は、本気で連載を描いている。

そんな漫画に飛び込んで

本気走りを思い出して、何度頑張れただろう。

頑張ればすべてが叶うわけじゃないけど、

私は本気で生きる事を辞めたくない。

録画機能も普及していない時代に

ホノオくんが必死で記憶に焼き付けるようにアニメを見ていたように

夢中で生きたい。

ずっとずっと。

ホノオくんみたいに。

こぼれ落ちそうな夜の

狭間で あなたの世界に生きる

いっしょに走っていいかな

信じるより感じる速度で

出典:「蒼い星」歌:柴咲コウ 作詞:カミカオル・柴咲コウ