世界に愛される「真央ちゃんスマイル」から始まった物語。
生まれたときから笑顔だったという。
本当に心から「スケートを滑っているのが大好き!」
「難しいジャンプが飛べて楽しい」
「憧れだったキレイな衣装が着れて嬉しい!」
全身から放たれる幸せなオーラで、氷上をふわりひらりと舞う少女。
初めてテレビでみた14歳の真央ちゃんは
まるで天使だった。
「楽しい」から続けたスケート。
大好きだからこそ、本当に自分の思い描いたままに滑れるように上手になりたい。
その気持ちは止むことを知らず少女を高く高く導いた。
浅田真央を2度のオリンピックへ
女子選手史上初のオリンピックでのトリプルアクセルを3度決めギネスブックにも載る。
しかし、大好きで楽しいからやっていたスケートも
自身が成長を重ね、さらに挑戦する技がより高難易度になるほど
上手く行かない試練のときも経験しなければならなかった。
笑顔の真央ちゃんを誰もが期待してしまう。
その裏側でどんな葛藤を試練を乗り越え、再び真央スマイルが輝いたのか。
この本は、スタースケーター浅田真央の誕生から10代のすべてをドキュメントで綴る物語だ。
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フィギュアスケートは、楽しいからやる遊びの一つだった
バレエ、ジャズダンス、器械体操、英会話…
幼少時代の習い事はどれもやらされるのではなく
浅田真央自身が楽しいと思うものだけを続けたという。
この「楽しいから続ける」という単純明快できっぱりとしたモチベーションは
のちに浅田真央を世界へと羽ばたかせていく最初の根本的な原動力だ。
のちに自分自身に対するハードルが上がり続け、もちろん楽しいだけではなくなった時も
大好きなスケートをもっと大好きでいたい。
もう一度楽しいと思えるくらい思い通りの滑りがしたい。
その気持ちがあらゆる困難を突き抜けさせ
彼女を新たな世界へと挑ませ続けた。
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とにかく練習が好きで上手くなっていくことが楽しい!
コーチは練習を辞めさせるのが大変だったという。
放っておけばいつまでもジャンプやスピンの練習をしてしまう。
浅田真央にとってスケートの練習は、「ど根性」「我慢と努力」のようなものではなく
ときには鼻歌を歌いながらリンクに居る時もあるくらい徹底的に楽しいものだった。
芸術性を磨き上げ、自身の表現を突き詰めていくと同時に
フィギュアスケートは勝負の世界。
憧れのオリンピックの舞台に立つには
いくつも「勝ち」を積み重ねていく必要がある。
しかし、浅田真央の心にあるのは純粋なまでに「もっと上手くなりたい」という一点のみ。
誰かに勝つという基準ではない。
自分が出来なかったことができるようになり、よりスケートを自由自在に楽しめること。
曲に感じた想いをこめ、その曲を力いっぱい生ききること。
その意味で浅田真央にライバルはいなかった。
誰かに勝ったからといって満たされる思いではないのだ。
だからこそ、その後訪れる彼女にとっての試練は大きかったのかもしれない。
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浅田真央にライバルはいない。
世間がどう騒ぎ立てようと、我関せずといわんばかりのマイペースな表情。
それも彼女を「天才」と言わせてしまう一因でもあるが
その「天才少女」という言葉にさえ彼女は踊らされはしない。
「天才」という言葉は、「いっぱい努力して偉かったね」という褒め言葉だと思うことにした。
出典 浅田真央 さらなる高みへ 吉田順 著
というように、「天才だ」と祭り上げるメディアの声すら自分なりに変換していく。
なぜなら彼女は自分の事を「天才」などとは思っていなかった。
誰と比べて天才なのか?
誰より上手ければ納得するのか?
そんな見せかけの答えに触手は動かなかった。
「自分が」満足できるスケーティングを目指している。
そこに「誰かよりも」という相対的な判断基準はない。
思えば、もし浅田真央がもっと勝負にこだわり、勝ち負けに一喜一憂する性格であればそれは楽だったのかもしれない。
あの人に勝った。その勲章で喜びそこをゴールにできるほうが簡単だ。
彼女にとっては。
けれども。
彼女が信じるのは己の中の判断基準。
「上手く滑れた」と思うか、否か。
だからこの追求に終わりがない。
ここまで頑張ればいいという設定もない。
「浅田真央自身がやりたい演技」という
世界基準を超えた恐ろしくハードルの高すぎる目標といつだって真っ向から戦ってきた。
その強さが、前人未到のオリンピックで三度のトリプルアクセルという快挙にも自らを導いていく。
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「演技」とは誰かになりきることではない。
ひとつのシーズンに、徹底的に向き合うプログラムは
基本2曲。
ショート用の楽曲。フリー用の楽曲。
それを、そのシーズンのすべてをかけて
最大効果を発揮できるプログラムへと日々進化させていく。
この楽曲の主人公になりきって、というように演技を固めていく選手もいる。
浅田真央にとって「演技」とは
自分以外の誰かになりきることではなかった。
この曲を通して、自分が感じたこと
表現したいと思った感情。
その曲の中で生きる自分自身。
それが彼女の目指す演技。
浅田真央はあまりにもピュアだ。
もっとズルく計算して自分を良く見せることだって
観客がみたいもの、審査委員が好みそうなもの、そういう擦り寄せだって出来たはずだ。
けれどもそんなことに意味はない。
目的は「勝つこと」ではない。
誰かに「評価されるため」に滑っているのではない。
みんなが思う「浅田真央っぽいもの」
そういうイメージをことごとく超えていく。
我々の想像よりずっと浅田真央の進化は早い
15歳のグランプリファイナル
「くるみ割り人形」でみせたあの史上初2回のトリプルアクセル。
体いっぱいに、顔いっぱいに笑顔を浮かべ
キラキラと輝く目で踊る真央ちゃん。
そのイメージがあまりにも強すぎたのかもしれない。
そこから、己の力の限界を超え続け
技を徹底的に磨き上げるアスリートとなった浅田真央のみているビジョンを
当人と同じように理解するのは誰にだって難しい。
19歳。
タラソワコーチを迎え
バンクーバーオリンピックでのフリープログラムにラフマニノフ「モスクワの鐘」(前奏曲『鐘』)を選んだのも
私達の想像よりもはるか遠い高みを目指している彼女の揺るぎない意志だった。
(実際タラソワコーチでさえ、出来なければ明るい曲に変えようと提案もしていた。)
しかし彼女はどうしても表現したかった
この曲に感じた「人間の力強さ」を。
はじめてのオリンピックという大舞台で。
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一生忘れられないプログラム バンクーバーでの「鐘」
この時の浅田真央の勇姿を何度見返したことだろう。
重厚な調べとともに始まりを告げ
自身の限界に果敢に挑戦する浅田真央自身の意志を
表現するような、心の奥底で決意を固めるような低い旋律が会場に響き渡る。
ここに全てを出し切る。
この難解でメッセージフルな「鐘」を徹底的に生ききる。
そんな研ぎ澄まされた眼差しで挑み、
トリプルアクセルを2回成功させると会場はどよめきのように沸き立った。
そこから、ひとときも休まることのない幾重のエレメンツ。
「なんて格好いいんだろう…」
勇ましく、意志ある所作のひとつひとつに心を奪われた。
中盤で二度のミスがあった。
本人にとっては悔やみきれない瞬間。
けれども、この日最大の見所はどう考えてもその後だった。
体中から迸る感情。
悔しさ・怒り・いらだち…
その強く激しいエネルギーが一挙手一投足に刻まれ放たれていく。
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「ノーミス」を目指すのがフィギュアスケートの世界。
だけれども誰にとっても人生は完璧に行かないことのほうが多い。
けれども、このときの浅田真央は
自身の失敗に怯むことなく立ち向かった。
4年に一度の大舞台。スケート人生で何度来られるかわからない場所。
ここで最高の演技をしたかった!
その強い想いが会場中、それを見ている世界中にと行き渡るくらいに小さな体から溢れ出ていた。
躓いても立ち上がる。子供の頃から何万回と経験してきたこと。
くじけず折れずに己の限界に立ち向かう。
「人間の力強さ」
それを浅田真央は体現しきった。
思い通りの演技ではなかったかもしれない。
けれども、あんなにエネルギーに満ちた人の心に深く刻まれる演技は浅田真央にしか出来ない境地だった。
真央スマイルはスケートを超えて
今年の24時間テレビ
チャリティーパーソナリティーとして出演した浅田真央。
立川ろう学校の生徒18名とともに
WANIMAの「やってみよう」に合わせてタップダンスを踊った。
競技の世界とは違うもう一つの浅田真央がそこにいる。
何も知らない少女の頃の屈託ないスマイルは
その清々しさと愛らしさはそのままに
人々の心をナチュラルに支え、
魂で向き合う、沢山の経験を積んだ彼女にしか出来ない微笑みへと変わっていた。
彼女の笑顔は人々の心を救う。
酸いも甘いも器用に乗り切るのではなく
その心で向き合って自分の力で乗り越えてきた彼女だから。
「乗り越えること」そのつらさと耐える時間の意味を誰よりも知っている彼女だから。
だからこそ、自身の体とともに懸命に生きる子供たちとひとつになれた。
そんな彼女の必死に自分自身と戦った日々。
この本で、沢山の人により深く感じてほしい。
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浅田真央サンクスツアー(2019-2020) 開催中!
これまで応援してくれたファンのもとへ
浅田真央が全国を周り感謝を込めてスケートを届ける!
選手時代の名プログラムもメドレーで披露する、
スケートへの愛
ファンへの愛
仲間への愛 に満ちたツアーです!
2019年は残すところ
愛知(愛・地球博記念公園 アイススケート場)のみ
2020年は→大阪→長野→秋田→熊本→広島→千葉→山梨へ!!
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色んな世界の人のインタビューが見たいシリーズ
— すばら/読書者 (@subarashi_blog) June 1, 2022
得にスポーツは、実践的な考え方、メンタルの持ち方がとてもわかりやすく参考になる。
平野歩夢選手の静かな闘志。
「オレの先にライバルがいるなんて面白い。すぐに追いかけ、抜いてやる」
格好いい
左『GQ JAPAN』6月号
右 Two-Sideways 二刀流 pic.twitter.com/JAaXKuDsEk