生活が、仕事が、何気ない日常が愛おしくなる。人生を豊かにしてくれるエッセイの世界。
- 中学生からエッセイにはまる。
- 小説家エッセイ
- 3652 伊坂幸太郎エッセイ集 (新潮文庫) [ 伊坂 幸太郎 ]
- 時をかけるゆとり (文春文庫) [ 朝井 リョウ ]
- 風と共にゆとりぬ (文春文庫) [ 朝井 リョウ ]
- そして誰もゆとらなくなった [ 朝井 リョウ ]
- イヤシノウタ (新潮文庫) [ 吉本 ばなな ]
- やわらかなレタス (文春文庫) [ 江國 香織 ]
- 物語のなかとそと (朝日文庫) [ 江國香織 ]
- 咳をしても一人と一匹 [ 群 ようこ ]
- たそがれビール (幻冬舎文庫) [ 小川糸 ]
- すべて忘れてしまうから (新潮文庫) [ 燃え殻 ]
- となりの脳世界 (朝日文庫) [ 村田沙耶香 ]
- 信仰 [ 村田 沙耶香 ]
- 図書室で暮らしたい (講談社文庫) 辻村 深月
- おすすめエッセイ一覧
中学生からエッセイにはまる。
いまでこそ、寝る前の息抜きとして楽しく読むことが多いエッセイ。
中学生の頃から好きなモデルさんや俳優さん、作家さんのエッセイを読み始めていた。
その頃はとにかく日々をどう生きたら良いかわからない。
自分の人生がどうなっていくのかわからない。
それを相談できる心を開ける大人というのが周りにいなかったというのもあるし、たぶんどう聞き出せばいいかこちらの質問力もなかった。
小説家エッセイ
3652 伊坂幸太郎エッセイ集 (新潮文庫) [ 伊坂 幸太郎 ]
伊坂幸太郎さんの初エッセイ集です。
ご自身エッセイは得意ではないとおっしゃっておりますが、
今まで各所に寄稿したエッセイを10周年に本にまとめましょうと
推し進めてくれた編集者さんにも感謝です。
10周年でこのエッセイの単行本が出て、その5年後に文庫本化しているので、
文庫本の方は15年の軌跡、となっています。
2000年に受けた初依頼の「公募ガイド」への寄稿からはじまる。
この中の
「人の人生は、一回かぎりである。しかも短い。その一生を“想像力”にぶち込めたら、こんな幸福な生き方はないと思う」
出典:3652 伊坂幸太郎エッセイ集 (新潮文庫) [ 伊坂 幸太郎 ]
こちらの、お父様から受け取った本(絵とは何か :坂崎 乙郎 – 河出書房新社)の一文に、唆されたという。
とても魅惑的な言葉だ。
やってやろう。と自信満々に賞に応募していた頃の蒼くアツい想いからはじまるエッセイ。
斉藤和義さんとのお仕事や、様々な作家さん同士の交流、
そして、「週末のフール」の制作秘話など、読み応えたっぷりなエッセイ集です。
時をかけるゆとり (文春文庫) [ 朝井 リョウ ]
(2012年(単行本)2014年(文庫本)改題)
伊坂さんとは対照的に、むしろエッセイ集をだしたくて、
その途中で直木賞を受賞したのだと言い切る
エッセイ界の申し子、朝井リョウさんの初エッセイ。
(小説界でも申し子です。あしからず。)
こちらは学生時代の話を中心に。
ここから「ゆとり三部作」というシリーズがスタートします。
学生時代。もう戻らない無鉄砲な日々。
至って真剣な中にある、失敗と無力さとおかしみ。
何も考えず、手にとって読んでみてください!
風と共にゆとりぬ (文春文庫) [ 朝井 リョウ ]
朝井リョウさんのエッセイ第二弾。
(2017年(単行本) 2020年(文庫本))
前作から引き続く眼科医との対決はさらなるステージへ。
独特なムードのある朝井家のハワイ旅行。
さくらももこさんリスペクトの、結婚式での本気の余興。
ビーチバレーの大会に出るとか、レンタル彼氏と演技対決とか、
面白すぎるエピソードの数々から、
会社員との兼業作家であった頃の退職までの葛藤など
真面目な話もあり、
読んでいる間、今日もまたこのエッセイの続きが読める
というこの幸福感。
さくらももこさんから受け継いだエッセイ愛にみち満ちた作品です。
そして誰もゆとらなくなった [ 朝井 リョウ ]
ゆとり三部作の最終章。
なんと全編書き下ろし。
エッセイ愛にもほどがある!
(2022年08月08日に発売)
こちらについては、購入したばかりで
まだ未読なんです。。。
なぜかというと、あと一歩のところで
サイン本を買い逃し、打ちひしがれ、
しばらく拗ねて購入できなかったのです。(心の狭さ・・・)
しかし、NHKラジオでのインタビューを聴いて、
何故まだ読んでいないのか!居ても立ってもいられない気持ちになり
やっとゲットしました。
読了後にまた感想を追記していきます。
イヤシノウタ (新潮文庫) [ 吉本 ばなな ]
沢山の小説とともに、エッセイも数多く出版されている
吉本ばななさんのエッセイ「イヤシノウタ」
(2016年出版、2018年文庫化。)
家族のこと、友人のこと、お金のこと、
セコムの人のこと、自身の読者のツイッターでのつぶやきについて・・・
など、生活に密着したこころあたたまる話題が流れるように読み進められるわかりやすさで描かれる。
ムダのない、洗練された文章で、伝えたいことをビシッと書く。
それがとてもかっこいいと思った。
このエッセイを読んで、知らない人に会いたくなった。
コロナ禍ですっかり、会う人も狭まってしまったけれど
以前は知らない人がくる飲み会も、
お坊さんが実家に来て色々世間話していくことも、
業者の人がお茶を飲んでいくことも、
なんか好きだった。
あ、人と関わりたいんだな本当はもっと、ということに気づいてしまった。
そんな気持ちを今どうすべきかはまだわからないけれど、
知らない人に会いたいんだという気持ちが自分のなかにあるということが
なぜかあたたかかった。
やわらかなレタス (文春文庫) [ 江國 香織 ]
江國香織さんの、「たべもの」にまつわるエッセイ。
(2010年連載、2011年単行本、2013年文庫本)
独特の感性で、みずみずしく日常を言葉に映していく江國さんの
語り口で、
たべもの、そのものの紹介ということではなく
そのたべものに付随する記憶。
印象的なシーン、エピソードが詰まっている。
中でも、新幹線の冷凍みかんの描写は、
溶けていくみかんの状態を4段階にわけて言語化していて
その表現が美しくてさすがだと思った。
冷凍みかんの描写にさえも人をドキドキさせる不思議な魅力がある。
ニューヨークではじめてのスタバで食べたドーナツから
思い出す留学生時代。
鱈という、控えめな魚への愛情。
谷中の突きたてのところてんの話は、
あの店だな、というのがわかってちょっと嬉しかったり。
食べたら消えてしまうものたちを、優しく書き留めてくれる、
日常の中に素敵さを見つけていくほっこりエッセイです。
物語のなかとそと (朝日文庫) [ 江國香織 ]
(2018年単行本、2021年文庫化)
こちらも、江國香織さんの散文集で、
現実を記すエッセイと、創作した小説との垣根がないような
「小説家」である自分のことを
もっと私達にみせてくれているような、
「書く人」であるという、その生き様が刻まれている。
江國さんてどんなふうに世界を見ているんだろう、
見てきた世界をどう物語に反映しているのだろう、
そういったことに対する答えとまではいかなくとも
ちょっとだけ、江國さんの秘密を覗き見た気になれる本です。
咳をしても一人と一匹 [ 群 ようこ ]
(2018年単行本、2021年文庫化)
「かもめ食堂」や「パンとスープとネコ日和」の群ようこさん。
愛猫しいちゃんという愛しい女王様との、
作家一人、ネコ一匹の日常エッセイです。
群さんとしいちゃんの、日々のコミュニケーションの記録。
しいちゃんの訴え、要望を鳴き声や仕草でしっかり受け止め
ご奉仕していく群さん。
なんてほほえましく、豊かな感情に満ちた空間なのだろう。
しいちゃんの発する様々な声に
しっかりと「〇〇という意味だろう」と、感情を受け取る
そのとくべつな関係性と空気感に癒されるエッセイです。
たそがれビール (幻冬舎文庫) [ 小川糸 ]
(2015年 文庫オリジナル)
東京、パリ、アフリカ、モロッコ、京都・・・
あちこちを旅しながら続いていく日常。
飾らずそのままを日記として綴る。
2012年の1年間の記録。
こんなにもフットワーク軽く
日本全国、世界各地を飛び回れたら・・・
と、旅へのあこがれがつのる日記エッセイです。
すべて忘れてしまうから (新潮文庫) [ 燃え殻 ]
2022年ドラマ化となったエッセイ集です。
テレビ美術制作会社に務める会社員である燃え殻さんの
独特な世界観をその視点から垣間見る。
テレビ業界に生き、文筆業、SNSとあちこちに棲む中で
ままならない日常。
理不尽な出来事。
思いがけず救われた一言。
そんな綴られた断片たちが、同じ時代を生きている人の痛みや拠り所に
重なっていく。
東京を生きていくカオス感がありありと感じられるエッセイです。
となりの脳世界 (朝日文庫) [ 村田沙耶香 ]
「コンビニ人間」からどっぷりと村田さんワールドに
浸かりきっている最中です。
世界を捉えている視点。
感じる違和感を率直に描き出せる体感描写力。
雑に生きてしまえば通り過ぎてしまう、ささやかな事象を
じっと見つめるような観測者にも思える
村田さんの脳の中を覗く。
ドキドキしながら、その世界を思う存分浴びるこの時間を
幸福に思いながら読み進めています。
信仰 [ 村田 沙耶香 ]
すっかり村田さんにハマっております。
新作小説とエッセイ、とあり
どれがエッセイでどれが小説とは明記されていないところが、怪しさを際立てていて好き。
夢中であっという間に読み終わってしまう。
信憑性のないもの、実態のよくわからないものを信じる力というのは、弱さなのか強さなのか。
盲信する者の塵の疑いももたず突進する力は凄まじい。現実が負けてしまうほどに。叶えたい夢に対しても、似たようなことを感じる。
それを叶えたら幸せになれるかどうか、先回りして知ることはできないのに、頑なに信じて突き進む。それは輝かしい青春とも言える。
業界の実態がどうだとか、労力に対して利益は見合わないぞとか、そうゆう現実にぶち当たってもなお覚めやらない強い意志と信仰の違いは見分けられない。
この先に良いことが待ってるとか耳障りの良い謳い文句でも、何も指針がないよりましだったりする。解説書もない人生を、何も信じることなしに歩いていける人はいるだろうか。
図書室で暮らしたい (講談社文庫) 辻村 深月
おすすめエッセイ一覧
小説家エッセイ
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お笑い芸人、構成作家エッセイ
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エッセイ漫画
・ボカロPで生きていく 40mPのボーカロイド活動日誌 [ 40mP ]
・ひとりずもう (上) (りぼんマスコットコミックスDIGITAL) さくらももこ
・ひとりずもう (下) (りぼんマスコットコミックスDIGITAL) さくらももこ
・薔薇はシュラバで生まれる―70年代少女漫画アシスタント奮闘記 /笹生 那実
・すこし昔の恋のお話 笹生那実短編集&エッセイまんが 笹生那実
・じゃあまたね 完全版 1 (マーガレットコミックスDIGITAL) 清原なつの
そして誰もゆとらなくなった/朝井リョウ
今からこれが読めるというだけで
なんて高揚するのか。
次が数年後なんて言ってたから読み終わるの
さみしいな。
朝井ワールドへ行ってきます! pic.twitter.com/INsSygUiXJ— すばら/読書者 (@subarashi_blog) October 16, 2022