「理系魂で困難に立ち向かってきた日々を語る、人気No.1生物オタクアナの「ムシ熱い」青春記。」という、面白いコピーが付いている
元日本テレビアナウンサーで現フリーアナウンサーである桝太一さんの
生き物に捧げた日々を振り返る青春記です。
岩波ジュニア新書から出版されており、学校での課題にもなる本ですが
大人も十分楽しめる濃い内容です。
生き物に魅せられていく子供時代の想い出から
生物の研究に明け暮れた学生時代、
そしてアナウンサーになってからも身を助けてくれたのは
生き物と歩んだ日々。
特に、「エンタの神様」の番組収録の前説で笑いをとるという、困難にぶつかった新人アナウンサー時代のエピソードが印象的で
「笑いを取る」という、本来アナウンサーの仕事なのかというような場面でも、できなかったことを振り返り、
投げ出すことなく、「研究熱心」というその能力を発揮し
ロジックを積み上げていき、今では誰もが安心して桝さんのトーク術で本気で笑っているよね、というところまで探究している。
そのすべてが、生き物の研究に没頭した日々に得た感覚と経験に裏付けられている。
それはきっと、「生き物の研究」に限らず
なにか一つのことに没頭して、沢山失敗を繰り返しながらひたすらに突き詰めた経験というものは、その対象が何であれ、
その後の自分を救う時が来る。
その考えは、前述の羽生九段にも通づるところがあり、とても熱いエッセイです。