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嵐 5×20 ベストアルバム全曲レビュー⑥disc2 (4~7)

5色  ジャニーズ

嵐のグループイメージが劇的に変わっていく時代へ突入

青年期の沸々としたジレンマがロックで表現されていたような嵐から

圧倒的な多幸感を体現するポップスターへ。

 

嵐の楽曲の幅の広さが勢いをつけて拡大していく。

 

累計売上2,009,637枚を超えついに200万枚。

ダブルミリオンを達成。

嵐の歴代アルバムセールス1位となった

嵐の20周年を記念したベストアルバム

『ARASHI 5×20 All the BEST!! 1999-2019』からその変化をみていきたい。

④アオゾラペダル 2006年8月2日発売

作詞・作曲:スガシカオ 編曲:石塚知生

櫻井翔主演 アスミック・エース エンタテインメント配給映画『ハチミツとクローバー』エンディング・テーマ

アオゾラペダル 歌詞はこちら

1998年のSMAPの「夜空ノムコウ」作詞

         ↓

2006年3月発売のKAT-TUNのデビュー曲「Real Face」作詞

に引き続き

スガシカオのジャニーズ提供曲3曲目がこの曲。

「サクラ咲ケ」から続いていたポジティブ路線から

ふっと立ち止まり、リアルな心に寄り添う。

前曲の「きっと大丈夫」の軽快な気楽さから一転

内省を、自問自答を投げかける。

「僕」 ではなく 「ぼく」と自分を呼んでいるところも少し弱さを感じさせ、センチメンタルにさせている。

あの日の風の色は 思い出せるけれど

あの時のユメと日々は ずっとくすんだまま

出典: アオゾラペダル 作詞:スガシカオ

「現在」の自分が振り返ると

「あの時」の自分が抱いていた

「ユメ」もそれを追いかけた日々も

くすんだ色に見える。

それは何故かというと、

明日を眩しいくらいに うまく描こうとして

ぼくらはキレイな色をぬりすぎたみたい・・・

ちょっとカッコ悪いことも こわれた夢の色も

パレットに広げ もう一度明日を描こう

出典: アオゾラペダル 作詞:スガシカオ

あまりにも眩しくキレイな色だけで未来を描いていたから。

けれども、そんなにうまく日々は進まない。

「ユメ」はそれ自体は輝いていて

綺羅びやかで華やかなものに見える。

けれどもそこに至るまでの道で、躓かない人なんているだろうか。

挫折知らずの天才に見える人はいるだろうが

たまたまうまく運ぶことが続いただけかもしれない。

ほとんどの人が、失敗を、情けなさを、目標までの果てしなさに途方に暮れる日を経験する。

そんな「カッコ悪い」部分も、書き損じとするのではなく

一筆、一筆自力で重ねてきた色なんだと肯定する。

糸口も見えないような日々にそれでも一歩、と前へ踏み出すために。

悲しいページなんて なかったことにしようとして

ぼくらはいくつも色をかさねてしまった・・・

きっとぬりすぎた色って 白に戻れないけど

それでいい 新しい色で明日を描こう

出典: アオゾラペダル 作詞:スガシカオ

こちらも読んでみる→「BRAVE」嵐とラグビーの共通精神”One for all, All for one”が共鳴した嵐史上最強ソングの誕生(音楽レビュー)

ともすると振りかざした完璧主義でうまく行かない自分を責めてしまう。

本当はその挑戦の全てが未来につながっているのに。

そんなノーミスの日々なんて目指さなくていい。

自分自身に対する「隠蔽体質」なんてやめよう。

一点の汚れもないものがだけが美しいんじゃない。

ぼくらが重ねていく、自力の日々は新しい色になっていくから。

キラキラのポップスターにもなれる。

こんなふうにふっと、傷つきながらも今にもがいているような人にも寄り添える。

嵐のもつメッセージの幅広さをぐっと広げた1曲だ。

⑤Love so sweet 2007年2月21日発売

作詞:SPIN   作曲:youth case 編曲:Mugen

TBS系金曜ドラマ「花より男子2」主題歌
キリン「午後の紅茶」CMソング

Love so sweet 歌詞はこちら

信じることは難しい。

実質的な距離に抗いたいけれども

すぐに会えない人を信じ続けることは言うほどたやすくはない。

様々な困難が立ちはだかる二人が

それを乗り越え愛を育んでいくラブストーリー

「花より男子2」の第2シーズンの主題歌。

繰り返し歌われる

信じることがすべて

出典:Love so sweet 作詞:SPIN

相手に「好きだよ」とか「愛してる」と語るようなラブソングではない。

そっと

こんな好きな人に出逢う季節二度とない

出典:Love so sweet 作詞:SPIN

と自分の中で噛み締めつつ

「二人でこの恋を守り抜こう」というような、対等な関係性が伺える。

「幸せにしてあげる」でも

「僕が笑わせてあげる」でもなく

笑ってもっと最後のLady

出典:Love so sweet 作詞:SPIN

と、そっと肩を並べて寄り添うような願いをかける。

この曲のヒロインに対する、敬意と尊重が見て取れる。

男の子が女の子を守るものというような旧時代的な考えではなく

お互いを 信じること

その重要性を訴えていることにも、

ラブソングの時代性が変わってきている印象だ。

二人にとっての

明けない夜はないよ

出典:Love so sweet 作詞:SPIN

と、君に伝えるのと同時に自分にも言い聞かせているような

必ずこの先に二人にとってのSWEETな日々があるんだと信じている。

ぐっと引っ張っていくわけではないけれど、この主人公は二人の未来を確信している。

そこに、嵐らしい頼もしさが表れている。

⑥We can make it ! 2007年5月2日発売

作詞:UNITe Rap詞:櫻井翔 作曲:Anders Wikstrom Fredrik Thomander 編曲:鈴木雅也 松本潤主演 日本テレビ系ドラマ「バンビ〜ノ!」主題歌 We can make it ! 歌詞はこちら 2作連続松本潤主演ドラマの主題歌に。 歌い出しも、松本さんから始まる。 スウェーデン出身のシンガーで”Agnes Carlsson”の楽曲である「Love is All Around」が原曲。 そこに日本語詞とラップを加えたカバー曲。 「僕らならやれるさ!」 という爽やかなメッセージが嵐というグループととても相性がいい。 ど根性でもなく、ゴリゴリに押しの強さをみせるのでもない。 「夢」に対するそのスタンスのさわやかさは 嵐の商標登録と言ってもいいくらいの他に真似できない空気がある。 こちらも読んでみる→「BRAVE」嵐とラグビーの共通精神”One for all, All for one”が共鳴した嵐史上最強ソングの誕生(音楽レビュー) メッセージが軽すぎれば、夢を追う人に刺さらないし、聞き流されてしまう。 かといって熱すぎては、温度差を感じる人は寄ってこない。 そこを全て埋めていく「さわやかさ」 それがすごく表現されている曲だ。 初期のメインボーカル制からの変化として 一人ひとりのソロパートも、歌い上げるパートは大野さんと固定でもなくなってきた。 それぞれの声の主張がはっきりしてきてより5人の個性が濃くなっている。 忘れかけていた夢に向かう気持ちを 呼び覚ます。
僕はただただ黙々と DREAMEと書いて「目標」と読む
出典:We can make it ! Rap詞:櫻井翔 この「黙々と」という姿勢がさわやかさの源かもしれない。 誰にやたらと主張するわけでもなく 自分で決めたことを自分でじっくり追う。 その誠実さがさわやかの根底に流れ 自分の漕いだペダルで前へ前へ前進していくような風を切っていく気持ちよさと解放感を演出している。

⑦Happiness 2007年9月5日発売

作詞:Wonderland 作曲:岡田実音 編曲:北川吟 二宮和也、櫻井翔主演 TBS系ドラマ「山田太郎ものがたり」主題歌 嵐出演 JAL「先得キャンペーン」CMソング Happiness 歌詞はこちら あの「やさぐれ」「劣勢」のスタンスをとっていた少年たちはどこへいったのだろう? こんなにも「幸福感」が似合うグループになっていた。 そしてこの歌詞は、今までの嵐を総括するような内容になっている。
向かい風の中で 嘆いてるよりも 上手くいくことを想像すれば いつの日か変わる時が来る
出典:Happiness 作詞:Wonderland 「やさぐれ」「劣勢」スタンスだったあの頃の僕らへ 現在の状況を踏まえて投げかけるメッセージ
ためらいながら 何度も立ち上がるよ
出典:Happiness 作詞:Wonderland 「とまどいながら」
思い出の後先を 考えたら 寂しすぎるね
出典:Happiness 作詞:Wonderland 「アオゾラペダル」
止めないで 止めないで ずっと信じる気持ち
出典:Happiness 作詞:Wonderland 「Love so sweet」
どんなに小さなつぼみでも
出典:Happiness 作詞:Wonderland 「サクラ咲ケ」 というように、今まで積み重ねてきた想いを全部抱きしめて まだまだ前へ行くんだ!という意気込みが感じられる。 さらには未来への予言も含まれ
幸せの虹は 何色なんて 気にしなくていいから
出典:Happiness 作詞:Wonderland 「Løve Rainbow」
遠くまで 遠くまで どこまでも続く道
出典:Happiness 作詞:Wonderland 「Believe」 というように未来と過去の真ん中に立ち 嵐が伝えてきたメッセージ、これから伝えていくことをまるごと象徴する歌となった。 そしてこの曲は、このテンポ感と「走り出せ」「止めないで」というフレーズから 幼稚園・小学校の運動会でも多く使用され さらに子供たち、ファミリー層へと広く嵐の人気は拡大し続ける。